角交換振り飛車は、閉塞状態にあった振り飛車に、新しい息吹を与えた戦法です。通常角道を止めた状態で、美濃囲いの堅さを生かし捌きを狙うのではなく、角道を開けたままの、攻め、守りに、全く新しい筋を作り出しました。
優秀な理由は、鈴木大介八段の名著
角交換振り飛車 基礎編に記されている通りです。
基礎編より
- まず、居飛車からの急戦を心配する必要がない。棒銀とか山田定跡は覚える必要がない。
- 押さえるべきポイントが少ない、ひとつの戦型で覚えた筋は他の戦型でも応用できることが多い。
- 振り飛車から攻めることができる。角交換振り飛車は受けの戦法ではなく、攻めの戦法なのだ。これが従来の振り飛車とは一番違う点である。
- 居飛車穴熊対策が完備されている。振り飛車から急戦を見せているので、居飛車は穴熊に囲いづらいし、居飛車穴熊に組ませても、攻め筋がたくさんある。
- 以上のような理由によって、最終的に勝ちやすい。
さらに書くと
- 先攻出来る
- 角頭の弱点が無い
- 穴熊を志向する相手にこちらも問題無く穴熊に出来る
- 銀を中央で使い千日手を打開する事が出来る
- 対局相手がきっちりとした対応策を持っていない場合が多い
非常に優秀な戦法だと感じています。
プロの実戦でも多く現れタイトル戦でも用いられる戦法です。
主に
五つ(+1)の戦型に別れており、それらを定跡と実戦の両面から見てみたいと思います。