まず基本図までの道のりで、最初に気になるのは、6手目▲4五角の
筋違い角。
後手番なのに損をして、筋違い角を打たれると悲しい気分になりますが、藤井先生が
読みの技法にて、
勝率1割でしょう。
普通に指した後、△6四歩~△6三銀~△5四銀と腰掛け銀に組んで、4五の位を取る。
~中略~
楽勝だと思うようになった。
この言葉を信じて、楽勝気分で指します。実際難しいですが、それはそれで…
△2二飛としていますが、
10手目△4二飛もあります。これは二手損四間飛車(別名、二手損向飛車)と言う別の角交換振り飛車の入り口になります。(最終的には、向飛車にする)
一旦停止で4三を守り、▲6五角を消しています。乱戦が嫌いな方や、右玉、角換わりなどの避けられない変化が嫌いな方は、こうするといいかもしれません。
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ダイレクト向飛車必修の筋、▲6五角~▲4三角成り~▲7五金
狙いは、他の変化に比べて、
先手の歩得になっています。
その代償は、
金を後手の持ち駒に加えることです。長引けば必ず歩得は生きるとの考え方です。
しかし角と金があると、かなり先手の動きが制限され、難しい駒組みになります。
実戦例:
2009/05/19 神崎健二七段 vs 大石直嗣四段 先手▲6五角~▲7五金:後手端歩突き越し

ダイレクト向飛車必修の定跡▲6五角。
▲6五角~▲4三角成り~▲7五歩です。
管理者の
実戦で一番多かった▲6五角の変化です。多い理由としては、その場で捻り出すと、この変化に行き着く気がします。▲5二馬~▲7五金をよく知らなくて、安全に見えると言うのもあるでしょう。
あと少数派で再度▲6五角から、歩を狙われることがあります。この場合は、△5二金左から、歩を取らせて、相手が普通の筋違い角になるだけです。これも一局だと思いますが、盛り上がって行って、多少指し易いと思っています。
勿論、どちらが良い悪いに直結するような局面ではないです。

ダイレクト向飛車必修の定跡▲6五角。
▲6五角~▲同角~▲7五歩の変化を。
▲6五角打ちに対し、ここで△7四角と合わせ、▲同角 △同歩に、
▲7五歩と突いた局面。
△7四角で振り飛車指せるとは、鈴木先生のご意見ですが、ダイレクト向飛車を指す方は間違いなく自信のある局面です。
プロの実戦例もあり、一般的な変化です。
狙いは単純に同歩なら、再度▲6五角で今度こそ両成りが受かりません。
当然、
△同歩とは取れません、となると飛車を振り戻し居飛車にする方針。

佐藤康光九段考案の戦法で、従来の角交換振り飛車には無かった
スピード感と一手で向飛車に振る欲張りな戦法。
何故それまで無かったかと言うと、振った直後の
▲6五角打ち(△4五角)が見えていたからで、必ず馬になる変化に踏み込もうとした人は居なかったためです。
佐藤先生が▲6五角を打たせても、
△7四角で指せる事を証明し流行した戦法。
振り飛車側から急戦を見せつつ指せるので、主導権を握り易い戦法であると言えます。
他の角交換振り飛車のは最終的に向飛車に落ち着く場合が多いので、それなら最初から向飛車に出来るこの戦法がいいのではと個人的に思っています。
鈴木大介先生曰く、角交換型には向飛車が一番いいらしいです。
一度、四間や中飛車に振る手損は、先攻できる可能性を残しているのに勿体無い気がします。
棒銀、△2五桂ポンと攻め筋が用意され、穴熊、美濃と囲いも選べる。
特に
△2五桂ポンが、優秀な手筋であることが見直されて、角交換振り飛車全体が評価されました。
ちなみに
ダイレクト向飛車と端歩突き越しダイレクト向飛車の違いは、飛車を△2二に振る前に端歩を突き越している場合、端歩突き越しとしています。
三枚換え定跡の有無が戦型の呼び名の違いです。
別名として、有名な所で、佐藤流ダイレクト向飛車、佐藤流角交換向飛車などがあります。
「角交換」「佐藤流」「ダイレクト」「向飛車」の四つを組み合わせて、色々な呼び名があります。