将棋界の一番長い日の対局。
先手佐藤九段のゴキゲン向飛車。
後手丸山九段は、玉頭位取り風の展開に。
引き飛車から銀冠と振り飛車は理想系に組上げる。
玉頭位取りは非常に手数のかかる戦法ですから、駒組みの飽和点を先に迎えた先手が暴発したように見える中盤戦。
確かに待つ手は難しい局面だとは思いますが、それにしてもと思わせる内容です。
なんて言うかみっくん凄いね(゚∀゚)
第68期順位戦A級9回戦
「佐藤 康光九段」vs「丸山 忠久九段」
先手ゴキゲン向飛車:後手玉頭位取り
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最近の久保棋王は後手版だと、ゴキゲン中飛車の採用率が非常に高く狙い撃ちの危険性があります。
先手佐藤九段の対策は丸山ワクチンの珍しい▲7八金から穴熊を志向する。
後手は棒銀で早めに動く展開に持ち込む。
第35期棋王戦五番勝負第2局
先手:佐藤康光九段
後手:久保利明棋王
2010/02/27
先手丸山ワクチン▲7八金:後手棒銀

丸山ワクチンから穴熊への移行を見せる本家丸山先生。
後手の谷川九段の端歩の位を取った向飛車銀冠。
暴れたい先手に対し、見事な差し回しを見せる後手。
第80期棋聖戦本戦1回戦
「丸山忠久九段」vs「谷川浩司九段」
2009/03/26
先手丸山ワクチン:後手ゴキゲン中飛車~向飛車銀冠

実践例は少ないが、たまに見る△5五角、角打ちを強要しています。
初期丸山ワクチンを彷彿とさせる中央押さえ込みに対し、玉を2二方面へ逃がす(振り飛車ではないですが…)。
第80期棋聖戦二次予選決勝
「桐山清澄九段」vs「稲葉 陽四段」
2008/11/19
先手丸山ワクチン:後手△5五角

先手飯島六段の丸山ワクチンから、いつもの4二金~4四銀~3三桂の形を築く後手鈴木八段。
△5五銀から手を作る順は見事です。
第2回朝日杯将棋オープン戦二次予選B
「飯島栄治六段」vs「鈴木大介八段」
2008/11/07
先手丸山ワクチン:後手ゴキゲン中飛車~向飛車

角成りに同飛車と取った局面から、後手大平四段は積極策を見せる。
先手中尾四段がそれに対応し渋い展開へ。
戦いが始まってから固める手など勉強になります。
第64期順位戦C級2組06回戦
「中尾敏之四段」vs「大平武洋四段」
2005/10/18
先手丸山ワクチン:後手ゴキゲン向飛車

手持ちの棋譜で一番古い佐藤流9六歩です。
今では常識の手順ですがこの当時は斬新だったのでしょう。
この頃から対ゴキゲンの定跡が洗練の極みを見せつつあると個人的に考えております。
第23回朝日オープン将棋選手権本戦準々決勝
「佐藤康光棋聖」vs「山崎隆之六段」
2005/02/17
先手佐藤流9六歩型銀冠:後手ゴキゲン中飛車~向飛車銀冠
極々初期の丸山ワクチンです。
盛り上がり中央を抑えることに主眼を置いています。
今の目で見たら少し違和感を覚えますが、変遷の理由として掲載します。
第28回新人王戦3回戦
「丸山忠久七段」vs「近藤正和四段」
1997/06/20
先手丸山ワクチン:後手普通のゴキゲン中飛車